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平成20年度の概要

1 かび毒

 基準の設定されているアフラトキシンB1、デオキシニバレノール及びゼアラレノンを始め21成分について3,556点モニタリングを実施した。

1) アフラトキシンB1

 配合飼料304点中126点(検出率41%)から検出されたが、有害物質の指導基準を超えるものはなかった。しかし、幼令肉用牛育成用、乳用牛飼育用及び種豚飼育用に各1点高い数値が認められたので注意が必要である。
 原料については、とうもろこしの検出率は41%、最大値0.009ppmと、昨年度より検出率、検出値も低く特に問題のない結果であった。
 また、とうもろこしの副産原料であるグルテンフィード、グルテンミールについても同程度の検出率であったが高濃度のものは検出されていない。
 その他としてパイナップルかす0.014ppm(タイ産)、やし油かす(フィリピン産)0.004ppm検出されており、東南アジア産の原料等の熱帯、亜熱帯産原料は注意が必要である。

2) デオキシニバレノール

 配合飼料100点中84点(検出率84%)から検出され、昨年度と同様高い検出率であるが、基準を超えるものはなく最大値は成鶏飼育用で0.71ppmであった。
 原料について検出率の高いものは、とうもろこしの93%(最大値0.53ppm)、大麦41%(最大値1.0ppm)、また、とうもろこしの副産原料については、グルテンフィード100%(最大値0.63ppm)、グルテンミール60%(最大値0.67ppm)、DDGS100%(最大値0.97ppm)、麦類の副産原料としては、ふすま84%(最大値0.83ppm)と高濃度に検出されているものもあり、注意が必要である。

3) ゼアラレノン

 配合飼料66点中61点(検出率92%)から検出され、昨年度と同様高い検出率であるが、基準を超えるものはなく最大値は成鶏飼育用で0.15ppmであった。
 原料について検出率の高いものは、とうもろこしの78%(最大値0.18ppm)、マイロ100%(最大値0.076ppm)、また、とうもろこしの副産原料については、グルテンフィード56%(最大値0.062ppm)、グルテンミール63%(最大値0.95ppm)、と高濃度に検出されているものもあり、注意が必要である。

2 重金属

 有害物質の指導基準のあるカドミウム、鉛、ひ素及び水銀について配合飼料551点、魚粉134点、肉骨粉等39点、稲わら9点等のモニタリングを実施した。
 重金属については、有害物質の指導基準を超えるものは過去3年間のモニタリングではないが、魚粉については原料により高濃度の重金属を含んでいる恐れもあり注意が必要である。

1) カドミウム

 配合飼料170点中139点(検出率82%)から検出され基準を超えるものはなく最大値は種鶏飼育用で0.35ppmであった。
 原料については、魚粉45点(最大値2.1ppm)、肉骨粉等13点(最大値0.1ppm)稲わら2点(0.03ppm)で基準を超えるものはなかった。

2) 鉛

 配合飼料169点中57点(検出率34%)から検出され基準を超えるものはなく最大値は成鶏飼育用で1.9ppmであった。
 原料については、魚粉44点(最大値1.7ppm)、肉骨粉等13点(最大値0.2ppm)稲わら2点(0.3ppm)で基準を超えるものはなかった。

3) 水銀

 配合飼料166点中35点(検出率21%)から検出され基準を超えるものはなく最大値は成鶏飼育用で0.2ppmであった。
 原料については、魚粉45点(最大値0.7ppm)、肉骨粉13点(最大値0.2ppm)稲わら2点(0.2ppm)で基準を超えるものはなかった。

4) ひ素

 稲わらについて3点(最大値4.4ppm)で基準を超えるものはなかった。

3 農薬

 省令で基準の設定されている成分を含む158成分について72,069点についてモニタリングを実施した。
 そのうち主に検出された農薬のモニタリング結果は、以下のとおりであった。
 農薬については、有機リン系の農薬の検出率が高いことからとうもろこし、麦類及びその副産原料を中心に注意が必要である。
 農薬については、有機リン系の農薬の検出率が高いことからとうもろこし、麦類及びその副産原料を中心に注意が必要である。
 また、牧草については検出数は少ないが多数の農薬が検出されており幅広く注意が必要である。

1) マラチオン

 配合飼料332点中57点(検出率17%)から検出され昨年度と同様の結果であり、最大値は乳用牛飼育用で0.33ppmであった。
 原料については、基準設定のあるとうもろこしの検出率は24%(最大値1.4ppm)であり、また、検出率の高い原料は、ふすまの30%(最大値0.48ppm)、とうもろこしDDGS20%(最大値1.7ppm)であった。これらの原料は高濃度に検出されているものもあり、注意が必要である。

2) クロルピリホスメチル

 配合飼料329点中10点(検出率3%)から検出され、昨年度は検出されてなく若干検出率が上がっている。最大値は牛用配合飼料で0.13ppmであった。
 原料について検出率の高いものは、ふすまの39%(最大値0.056ppm)、ビールかす25%(最大値0.04ppm)であった。

3) グリホサート

 配合飼料10点中5点(検出率50%)から検出され基準を超えるものはなく最大値はほ乳期子豚育成用で0.48ppmであった。
 原料については、とうもろこしで0.053ppm検出された。

4) その他検出されている農薬

① 配合飼料
 EPN、アニロホス、エジフェンホス、クロルプロファム、ジフェノコナゾール、フェニトロチオン、フェノトリン、フェンブコナゾール、プロピコナゾール
② 原料
 BHC(古畳わら)、DDT(古畳わら)、アトラジン(スーダングラス)、イサゾホス(ライグラス)、イソフェンホス(オーツヘイ)、カスザホス(アルファルファ、バミューダグラス)ジクロラン(古畳わら)、シハロトリン(ビートパルプ)ディルドリン(古畳わら)、テブコナゾール(ビートパルプ)、トリアジメホン(バミューダグラス)、トリフルラリン(アルファルファ、スーダングラス)、ピリミホスメチル(ビールかす)、フルトラニル(米ぬか油かす)、プロパルギット(ライグラス)、プロピコナゾール(ふすま、チモシー、ライグラス)、ヘキサクロロベンゼン(古畳わら)、ペンディメタリン(スーダングラス)

4 その他

1) 硝酸態窒素

 乾牧草についてアルファルファー、チモシーを主に29点モニタリングを実施し、検出された結果は、アルファルファで1000ppm、スーダングラスで970ppmの最大値であった。特に問題となる高濃度の牧草はなかったが、今後とも注意が必要である。

2) マラカイトグリーン及びロイコマラカイトグリーン

 養魚用飼料14点及び魚粉45点についてモニタリングを実施した結果、魚粉でロイコマラカイトグリーン1点(0.2ppb)検出があった。
 検出数は少ないが、今後とも注意が必要である。

3) メラミン

 養魚用飼料2点、その他の混合飼料11点及び原料29点モニタリングを実施した結果、まだい育成用配合飼料で1点(22ppm)検出、イカミールで1点(18ppm)検出があった。
 検出数は少ないが、今後とも注意が必要である。
 なお、農林水産省からの指導により、当該飼料の出荷停止等の措置が講じられている。

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