平成21年度の有害物質のモニタリング検査結果について
1 かび毒
有害物質の指導基準が設定されているアフラトキシンB1、デオキシニバレノール及びゼアラレノンを始めとする21成分について、配混合飼料2,092点及び54種類の飼料原料2,140点のモニタリングを実施した。
そのうち主なかび毒のモニタリング結果は、以下のとおりであった。
なお、下線部のコーングルテンフィード及びコーングルテンミールについては、当該原料の使用割合を勘案すると、製造された配合飼料が基準値を超えることはないと考えられる。
1) アフラトキシンB1
配合飼料は265点実施し、最大値は牛用(乳用牛用を含む)で0.007 ppmであり、基準値0.01 ppmを超えるものはなかった。
原料は207点実施し、主にとうもろこし及びその副産原料、大豆油かす等から検出されており、最大値はやし油かす(フィリピン産)の0.026 ppmであり、とうもろこしの最大値は0.01 ppm(米国産)であった。
2) デオキシニバレノール
配合飼料は135点実施し、最大値は乳用牛飼育用で1.4 ppmであり、基準値4.0 ppmを超えるものはなかった。
原料は171点実施し、主にとうもろこし、麦類及びこれらの副産原料から検出されており、各原料の最大値は、とうもろこし(1.4 ppm、米国産)、コーングルテンフィード(6.3 ppm、中国産)、コーングルテンミール(5.2 ppm、中国産)及びとうもろこしジスチラーズグレインソリュブル(3.2 ppm、米国産)であった。
3) ゼアラレノン
配合飼料は126点実施し、最大値は成鶏飼育用配合飼料で0.23 ppmであり、基準値1.0 ppmを超えるものはなかった。
原料は168点実施し、主にとうもろこし、麦類及びこれらの副産原料から検出されており、最大値は、コーングルテンミール(5.4 ppm、中国産)であった。
2 重金属
有害物質の指導基準が設定されているカドミウム、鉛、ひ素及び水銀について配混合飼料468点、魚粉111点、肉骨粉等39点及び稲わら8点のモニタリングを実施した。
1) カドミウム
配合飼料は156点実施し、最大値は成鶏飼育用で0.4 ppmであり、基準値1.0 ppmを超えるものはなかった。
原料は魚粉37点実施し、最大値2.3 ppm(国産)、肉骨粉等13点実施し、最大値0.06 ppm(国産)であり、基準値2.5 ppmを超えるものはなかった。
2) 鉛
配合飼料は156点実施し、最大値はほ乳期子豚育成用の2.1 ppmであり、基準値3.0 ppmを超えるものはなかった。
原料は魚粉37点実施し、最大値3.9 ppm(国産)、肉骨粉等13点実施し、最大値1.9 ppm(国産)であり、基準値7.5 ppmを超えるものはなかった。
3) 水銀
配合飼料は156点実施し、最大値は子豚育成用の0.11 ppmであり、基準値0.4 ppmを超えるものはなかった。
原料は魚粉37点実施し、最大値0.97 ppm(国産)、肉骨粉等13点実施し、最大値0.24 ppmであり、基準値1.0 ppmを超えるものはなかった。
4) ひ素
稲わら(中国産)について5点実施し、最大値 4.7 ppmであり、基準値7 ppmを超えるものはなかった。
3 農薬
省令で基準が設定されている成分を含む152成分について66,012点のモニタリングを実施した。
そのうち主に検出された農薬のモニタリング結果は以下のとおりであり、基準値を超えるものはなく、基準が設定されていない成分についても問題はなかった。
配合飼料は146成分について31,568点実施し、検出された農薬は11成分57点であった。成分別の検出数(最大値)は、クロルピリホスメチル19点(200 ppb)、マラチオン12点(150 ppb)、プロパルギット6点(64 ppb)、グルホシネート4点(51ppb)、フェニトロチオン4点(50 ppb)、クロルプロファム3点(160 ppb)、EPN3点(49 ppb)、ピリミホスメチル3点(81 ppb)、クロルピリホス1点(40 ppb)、ピペロニルブトキシド1点(32 ppb)及びフェンプロパトリン1点(120 ppb)であった。
原料は143成分について34,444点実施し、検出された農薬は15成分64点であった。成分別の検出数(種類、産地、最大値)は、マラチオン17点(スクリーニングペレット、カナダ、560 ppb)、クロルピリホスメチル12点(マイロ、米国産、380 ppb)、フェニトロチオン8点(グルテンミール、中国産、170 ppb)、グリホサート4点(とうもろこし、米国産、230 ppb)、グルホシネート4点(とうもろこし、米国産、50 ppb)、プロピコナゾール4点(ライグラス、米国産、6,200 ppb)、ピリミホスメチル3点(マイロ、米国産、370 ppb)、EPN2点(とうもろこし、米国産、40 ppb)、クロルピリホス2点(とうもろこし、米国産、44 ppb)、テブコナゾール2点(ライグラス、米国産、980 ppb)、プロパルギット2点(ふすま、国産、37 ppb)、エンドスルファン1点(古畳わら、国産、21 ppb)、トリフルラリン1点(アルファルファ、米国産、1,900 ppb)、メチダチオン1点(みかんジュースかす、国産、460 ppb)、メトキシクロール1点(古畳わら、国産、6 ppb)であった。
4 その他
1) 硝酸態窒素
乾牧草についてスーダングラス10点、アルファルファ10点、バミューダグラス2点、ライグラス及びオーツヘイ各1点の24点モニタリングを実施した。最大値はアルファルファ(米国産)で2,100ppm検出されていることから、乾牧草を給与する際には以下のガイドラインを参考にし、取扱いに留意する必要がある。
飼料中硝酸塩濃度のガイドライン(http://niah.naro.affrc.go.jp/disease/poisoning/NO3-limit.html)
2) マラカイトグリーン及びロイコマラカイトグリーン
それぞれ養魚用飼料11点及び魚粉28点実施し、検出されたものはなかった。
3) メラミン
養魚用飼料1点、魚粉12点及びにんにく粉末1点実施し、検出されたものはなかった。