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平成23年度の有害物質のモニタリング検査結果について

1 かび毒

 有害物質の指導基準が設定されているアフラトキシンB1、デオキシニバレノール、ゼアラレノンを始めとする18成分について、配混合飼料2,509点及び35種類の飼料原料2,374点のモニタリングを実施した。
 そのうち主なかび毒のモニタリング結果は、以下のとおりであった。

1) アフラトキシンB1

 配合飼料は224点実施し、最大値は牛数種用(ほ乳期子牛用、乳用牛用を含まないもの)で0.013 ppmであり、基準値(幼令期用及び乳用牛用0.01 ppm、その他の家畜等用0.02 ppm)を超えるものはなかった。
 原料は199点実施し、とうもろこし及びその副産原料、大豆油かす、綿実、ふすま、やし油かす、カカオ豆殻から検出されており、各原料の最大値はとうもろこし(0.013 ppm、米国産)、コーングルテンミール(0.012 ppm、国産)、コーングルテンフィード(0.009 ppm、国産)、コーンコブミール(0.042 ppm、タイ産)、ホミニーフィード(0.029 ppm、米国産)、大豆油かす(0.003 ppm、インド産)、綿実(0.0009 ppm、オーストラリア産)、やし油かす(0.03 ppm、フィリピン産)、カカオ豆殻(0.0005 ppm、国産)であった。

2) デオキシニバレノール

 配合飼料は218点実施し、最大値は牛数種用で0.54 ppmであり、基準値(生後3ヶ月以上の牛用4 ppm、その他の家畜等用1 ppm)を超えるものはなかった。
 原料は193点実施し、主にとうもろこし及び副産原料、麦類及び副産原料、綿実、甘しょ、なたね油かす、大豆油かす、菓子くずから検出されており、各原料の最大値は、とうもろこし(0.86 ppm、米国産)、小麦(0.028 ppm、オーストラリア産)、大麦(0.078 ppm、カナダ産)、綿実(0.61 ppm、オーストラリア産)、甘しょ(0.021 ppm、中国産)、コーングルテンフィード(2.1 ppm、国産)、コーングルテンミール(9.5 ppm、中国産)、とうもろこしジスチラーズグレイン(1.7 ppm、米国産)、DDGS(3.7 ppm、米国産)、コーンコブミール(2.7 ppm、国産)、ホミニーフィード(0.91 ppm、米国産)、ふすま(0.49 ppm、国産)、なたね油かす(0.021 ppm、国産)、大豆油かす(0.021 ppm、国産)、菓子くず(0.15 ppm、国産)であった。

3) ゼアラレノン

 配合飼料は224点実施し、最大値は成鶏飼育用で0.38 ppmであり、基準値1 ppmを超えるものはなかった。
 原料は198点実施し、主にとうもろこし及び副産原料、麦類及び副産原料、綿実、甘しょ、大豆皮、大豆油かす、なたね油かす、米ぬか油かす、菓子くずから検出されており、最大値は、コーングルテンミール(9.9 ppm、中国産)であった。

2 重金属

 有害物質の指導基準が設定されているカドミウム、鉛、ひ素及び水銀について配混合飼料380点及び魚粉等98点のモニタリングを実施した。

1) カドミウム

 配合飼料は122点実施し、最大値は成鶏飼育用の0.31 ppmであり、基準値1 ppmを超えるものはなかった。
 原料は魚粉等31点実施し、最大値は魚粉の2.0 ppm(国産)であり、基準値3 ppmを超えるものはなかった。

2) 鉛

 配合飼料は122点実施し、最大値はブロイラー肥育後期用の1.7 ppmであり、基準値3.0 ppmを超えるものはなかった。
 原料は魚粉等31点実施し、最大値は魚粉の1.4 ppm(国産)であり、基準値7.5 ppmを超えるものはなかった。

3) ひ素

 配合飼料は14点実施し、最大値は成鶏飼育用の0.55 ppmであり、基準値2 ppmを超えるものはなかった。
 原料は稲わら5点実施し、最大値は2.7 ppm(中国産)であり、基準値7 ppmを超えるものはなかった。

4) 水銀

 配合飼料は122点実施し、最大値は成鶏飼育用の0.19 ppmであり、基準値0.4 ppmを超えるものはなかった。
 原料は魚粉等31点実施し、最大値は魚粉の0.69 ppm(国産)であり、基準値1 ppmを超えるものはなかった。

3 農薬

 省令で基準が設定されている成分を含む143成分について48,715点のモニタリングを実施した。
 そのうち主に検出された農薬のモニタリング結果は、以下のとおりであった。基準値を超えたものはなかった。基準が設定されていない成分についても家畜に影響を及ぼしたり、畜産物に残留する可能性がある濃度を超えるものはなかった。
 配合飼料は130成分について26,025点実施し、検出された農薬は7成分49点であった。成分別の検出数(最大値)は、フェニトロチオン7点(280 ppb)、マラチオン9点(67 ppb)、ピリミホスメチル14点(96 ppb)、クロルピリホスメチル15点(820 ppb)、デルタメトリン及びトラロメトリン2点(220 ppb)、ジクロホップメチル1点(29 ppb)、クロルプロファム1点(180 ppb)であった。
 原料は136成分について22,690点実施し、検出された農薬は15成分42点であった。成分別の検出数(種類、産地、最大値)は、マラチオン11点(ふすま、国産、590 ppb)、クロルピリホスメチル11点(ふすま、国産、400 ppb)、プロピコナゾール5点(ライグラス、米国産、5,900 ppb)、プロパルギット3点(スーダングラス、米国産、300 ppb)、テブコナゾール2点(ライグラス、米国産、730 ppb)、ビフェントリン1点(ライグラス、米国産、39 ppb)、シハロトリン1点(アルファルファ、米国産、130 ppb)、トリフルラリン1点(アルファルファ、米国産、59 ppb)、EPN1点(ふすま、国産、160 ppb)、クロルピリホス1点(アルファルファ、米国産、160 ppb)、イソプロチオラン1点(米ぬか、国産、170 ppb)、フルトラニル1点(米ぬか、国産、36 ppb)、プロシミドン1点(大麦わら、オーストラリア産、93 ppb)、メトプレン1点(マイロ、オーストラリア産、49 ppb)及びメトミノストロビン1点(米ぬか、国産、26 ppb)であった。

4 その他

1) 硝酸態窒素

 乾牧草についてスーダングラス11点、アルファルファ8点の19点のモニタリングを実施した。最大値はスーダングラス(米国産)で1,200 ppm、アルファルファ(米国産)で1,300 ppmであった。

2) マラカイトグリーン及びロイコマラカイトグリーン

 それぞれ魚粉17点実施し、検出されたものはなかった。

 各項目における点数は、分析を実施したサンプル数ではなく、分析を実施したのべ成分点数である。

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