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不適切な製造方法による古畳再製稲わらの製造等の禁止について

22消安第6549号
平成22年11月12日
農林水産省消費・安全局長
不適切な製造方法による古畳再製稲わらの製造等の禁止について
 今般、古畳を原料として、不適切な製造方法により製造された飼料用稲わら(以下「古畳再製稲わら」という。)について、当該飼料に含まれる塩素系農薬の量が飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律(昭和28年法律第35号。以下「飼安法」という。)第3条の規定に基づく飼料及び飼料添加物の成分規格等に関する省令(昭和51年農林省令第35号)別表第1の1の(1)に規定する飼料一般の成分規格(以下「成分規格」という。)に違反し、当該飼料を給与した肉用牛の畜産物が、食品衛生法(昭和22年法律第233号。以下「食衛法」という。)第11条第3項に基づく基準に抵触する事例が認められました。
 本事例については、直ちに違反飼料の出荷停止、使用停止等の措置を講じるとともに、食品衛生部局と連携して違反飼料を給与した肉用牛の畜産物中に残留する塩素系農薬が、食衛法の基準に抵触しないか否かを確認するなどの措置を講じております。
 このような事態が再び発生することを確実に防止するためには、塩素系農薬が混入するおそれのある「不適切な製造方法」により製造される古畳再製稲わらの製造、輸入、販売及び使用(以下「製造等」という。)を禁止する必要があります。
 このため、古畳再製稲わらの塩素系農薬が成分規格に違反している事実が判明していない場合であっても、「不適切な製造方法」による古畳再製稲わらについては、飼安法第23条第1号に規定する「有害な物質を含み、又はその疑いがある」飼料に該当するものとして、その製造等を同条に基づく禁止の対象として取り扱うこととします。
 つきましては、今後の古畳再製稲わらの製造等について、下記のとおり取り扱うこととしましたので、ご了知の上、貴管下及び関係者に対して周知徹底されるようお願いします。
 なお、この取扱いの可否については、農業資材審議会で審議され、これを適当と認める旨の答申がなされていることを申し添えます。
第1 古畳再製稲わらの製造等の禁止
 第2の要件を満たさない製造業者が製造した古畳再製稲わらについては、飼安法第23条第1号に該当するものとして、その製造等を同条に基づく禁止の対象とする。
第2 「不適切な製造方法」に該当しないための要件
 古畳再製稲わらの製造業者は、「不適切な製造方法」による古畳再製稲わらの製造を行わないようにするため、以下のアからウまでを確実に行うとともに、次の1から3までにより古畳再製稲わらの製造等を行うこと。
ア 古畳の回収時に古畳の製造年月日、性状等を確認することで飼料に適さない古畳を選別し、飼料の製造に用いないこと。
イ 塩素系農薬を含むおそれのある古畳に付着した粉塵を除去する設備を有し、製造開始前及び製造開始後定期的に塩素系農薬の除去効果を確認すること。
ウ 製造等の状況に応じて、成分規格に違反しないことを確認できる頻度で製品の塩素系農薬を検査すること。
1 工程管理基準書
 製造業者は、製造工程の管理、品質管理その他必要な事項を記載した工程管理基準書を整備すること。工程管理基準書には、塩素系農薬の成分規格を確実に遵守するための古畳の選別、粉じんの除去、粉じんの除去能力の確認並びに製品及び粉じん中の塩素系農薬の検査等の管理基準を規定すること。
2 製造管理責任者の業務
 製造業者は、製造管理責任者を設置し、製造管理責任者に、工程管理基準書に基づき次に掲げる製造品質管理に係る業務を行わせること。
(1)製造工程における指示事項、注意事項その他必要な事項を記載した製造に係る手順書及び品質管理に係る手順書を作成すること。
(2)次の業務を自ら又は業務の内容に応じてあらかじめ指定した者に行わせること。
① 古畳の選別、粉じんの除去など製造に係る手順書に基づき製品を製造すること。
② 製品の製造に関する記録をロットごとに作成すること。
③ 粉じんの除去設備など製造設備を定期的に点検整備し、その記録を作成すること。
④ 製品及び除去した粉じんを採取して、定期的に塩素系農薬の試験検査を行い、その記録を作成すること。
⑤ その他製造品質管理に関わる必要な業務。
(3)工程管理基準書に基づく製造品質管理が適切に行われていることを確認すること。
(4)飼安法第52条に基づく製造に関する記録を作成の日から8年間保存すること。
3 異常時対応等
 製造業者は、異常時対応、苦情処理、回収処理、自己点検及び教育訓練(以下「異常時対応等」という。)に関する手順書を整備すること。また、製造管理責任者に、手順書に基づき異常時対応等に係る業務を行わせ、その記録を作成させ、その作成の日から2年間以上保存させること。
第3 要件を満たしていることの確認
 第2の要件の具備状況の確認は、飼安法第57条の規定に基づく独立行政法人農林水産消費安全技術センターによる立入検査等により確認することとしているので、古畳再製稲わらを製造しようとする製造業者は、事前に農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課に連絡すること。
第4 古畳再製稲わらの使用に関する注意
 「不適切な製造方法」による古畳再製稲わらを給与すると、その畜産物が食衛法基準に抵触する場合があるので注意すること。

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