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緊急時における飼料及び愛玩動物用飼料の試験法の妥当性確認法について

27消安第6190号 
平成28年3月17日 

農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課長 

緊急時における飼料及び愛玩動物用飼料の試験法の妥当性確認法について

 飼料、飼料添加物若しくは愛玩動物用飼料又はこれらの原材料(以下「飼料等」という。)の検査については、飼料分析基準の制定について(平成20年4月1日付け19消安第14729号農林水産省消費・安全局長通知)及び愛玩動物用飼料等の検査法の制定について(平成21年9月1日付け21消技第1764号)の別添(以下「飼料分析基準等」という。)に規定されている試験法が公定法として位置づけられています。
 しかしながら、突発的な事故対応等により飼料等の分析を要する緊急時において、飼料分析基準等に規定された試験法がない場合には、速やかに一定の妥当性が確認された試験法を確立する必要があります。
 このため、緊急時における飼料等の試験法に係る妥当性確認の方法について、貴センターとともに検討を重ね、今般、別紙のとおりとりまとめたところです。
 つきましては、今後、飼料等について緊急的に分析を行う必要があり、当該飼料等を適用範囲とした分析対象物質の試験法が飼料分析基準等に規定されていない場合、貴センターにおいては、別紙の方法により妥当性確認を行った試験法によって分析を行うようお願いします。
 なお、当該試験法は、緊急的に分析を要する事案に対してのみ適用し、法令違反の判断等については、分析結果のみならず、分析に用いた試験法の妥当性確認の結果等を踏まえて総合的に判断することとしますので、御了知の上、緊急時の円滑な対応について御協力をお願いします。



別紙

緊急時における飼料及び愛玩動物用飼料の試験法の妥当性確認法

1 妥当性確認が必要となる試験法の分類
 妥当性確認が必要となる試験法の分類は以下のとおりとする。
(1)飼料分析基準等に規定された試験法を当該試験法の適用範囲以外の飼料等に対して用いる場合
(2)飼料分析基準等に規定された試験法を当該試験法の分析対象物質以外の農薬等に対して用いる場合
(3)(1)及び(2)以外の場合であって、飼料分析基準等に規定のない試験法を用いる場合
2 添加回収試験
 添加回収試験には、分析対象物質が含まれない試料を飼料等の種類ごとに1点以上用いる。添加回収試験の添加濃度は、分析対象物質の基準値等を考慮し、畜水産安全管理課と協議して定めた濃度(以下「基準値等」という。)とする。
3 確認の方法に係る留意事項
(1)選択性
 対象となる飼料等の種類ごとに2点以上のブランク試料を用いて確認する。
(2)真度
 添加回収試験により求める真度の目標値は、70%以上120%以下とする。
(3)精度
 2点併行試験について、分析者及び分析日の自由度4以上の繰返しにより併行精度及び中間精度を同時に評価する。なお、FAMICの複数試験室において試験を行うことが想定される場合は、全ての試験室を含めた同様の繰返し試験により、併行精度及び中間精度(5試験室以上の場合は室間再現精度)を求める。
 中間精度を求めない場合は、5点併行試験により併行精度を評価する。
 各精度の目標値は、飼料分析基準等の規定に従う。
(4)定量下限及び検出下限
 ピークのSN比から暫定的に定量下限及び検出下限を求め、定量下限が基準値等以下であることを確認する。
 定量下限濃度における真度及び精度を求める必要があるとして畜水産安全管理課から特に指示があった場合は、定量下限濃度における添加回収試験を5点併行により実施し、真度及び併行精度を確認する。
 なお、真度、精度等が上記の目標値を外れる場合の取扱いについては、別途協議する。
4 試験法の分類ごとの妥当性確認項目
 1の分類ごとに3の各妥当性確認項目のうち必要とされる事項は、次の表のとおりとする。

分類選択性真度併行精度中間精度定量下限
(1)
(2)
(3)

分類(1)の例:適用範囲拡大
分類(2)の例:多成分分析法への成分追加
分類(3)の例:新規分析法
○:実施する項目
※:必要に応じて実施する項目
-:実施を要さない項目

 用語の定義は、飼料分析基準等の規定に従う。

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