飼料中の化学物質に関する規制
1.残留農薬
(1)残留基準値の設定の背景
・日本では、2004年に厚生労働省が「ポジティブリスト制度」を導入し、食品中の農薬、動物用医薬品及び飼料添加物の残留基準値(MRL)が設定されたが、飼料についてはポジティブリスト制度を適用しなかった。
・我々は、食品の残留基準値を満たさない畜産物が生産されることがないように、飼料中の農薬に関してMRLを定めた。
・具体的には、(i) 飼養試験で飼料から畜産物への移行が確認された農薬、あるいは(ii)飼料中に残留する可能性が高い農薬について、MRLを設定した。
・現在、60成分についてMRLを設定している。(60成分のMRLについてはリストを参照)
(2)MRL設定に関する基本的な考え方
・基本的には以下の考え方に基づいてMRLを設定した。
(i) 飼料及び食品として用いられる作物(とうもろこし、麦類等)
一般に、飼料作物のMRLは、食品となる農作物のレベルにあわせて設定される。飼料作物のMRLが、これを摂取した家畜から生産される畜産物のMRLを満たすには十分に低くとはいえない場合、科学的知見に基づいて、食品用の農作物のMRLより低い値を設定する。
一般に、飼料作物のMRLは、食品となる農作物のレベルにあわせて設定される。飼料作物のMRLが、これを摂取した家畜から生産される畜産物のMRLを満たすには十分に低くとはいえない場合、科学的知見に基づいて、食品用の農作物のMRLより低い値を設定する。
(ii) 飼料としてのみ用いられる作物(乾牧草、かす類等)
JMPR(FAO/WHO合同残留農薬専門家会合)や飼料作物の主要生産国によって採用されている畜産物のMRLの設定方法に準じて設定する。すなわち、飼料中の残留農薬濃度と家畜が実際に摂取する量に基づいてMRLを設定する。設定に当たっては、飼料中の残留農薬が家畜に与える影響についても考慮する。
JMPR(FAO/WHO合同残留農薬専門家会合)や飼料作物の主要生産国によって採用されている畜産物のMRLの設定方法に準じて設定する。すなわち、飼料中の残留農薬濃度と家畜が実際に摂取する量に基づいてMRLを設定する。設定に当たっては、飼料中の残留農薬が家畜に与える影響についても考慮する。
・食品安全委員会は、ポジティブリストのほとんどの成分を対象にリスク評価を進めている。このリスク評価の結果、厚生労働省が畜産物のMRLを改正する場合、農林水産省も飼料のMRLを改正する必要が生じることがある。
2.有害な化学物質
家畜の健康と畜産物の安全を確保するため、農業資材審議会の専門家の意見を聞きながら、飼料中の有害な化学物質の基準値を定めている。
(1)重金属
鉛、カドミウム、水銀、ひ素
(2)かび毒
アフラトキシンB1、ゼアラレノン、デオキシニバレノール
(3)その他
メラミン