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食品循環資源利用飼料の安全確保のためのガイドラインの策定について

令和 2年 8月31日  2消安第 2496号 
改正 令和 2年12月 1日  2消安第 3705号 
令和 4年 5月31日  4消安第 1075号 
令和 5年12月 1日  5消安第 4714号 
令和 6年10月 3日  6消安第 2240号 
農林水産省消費・安全局長 
食品循環資源利用飼料の安全確保のためのガイドラインの策定について
 平素より飼料の安全確保に御尽力いただき感謝申し上げます。
 食品循環資源の飼料利用に係る規制については、我が国への侵入リスクが高まっているアフリカ豚熱を始めとした家畜の伝染性疾病の侵入防止対策の強化の一環として、飼料の安全確保対策を強化すべく、見直しの検討を進めてきたところです。
 見直しの内容を諮問した審議会等においては、これまで、我が国で飼料自給率向上のための国産飼料の有効活用や循環型社会の実践に資する観点から、食品循環資源の飼料利用が推進されてきたことを踏まえた議論が行われ、国際基準に整合した加熱処理等を適切に行う体制を構築した上で、食品循環資源の飼料利用の継続を認めるべきであるとの結論が取りまとめられたところです。
 この結論を受け、今般、令和2年8月26日付けで、飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律(昭和28年法律第35号)に基づく飼料及び飼料添加物の成分規格等に関する省令の一部を改正する省令(令和2年農林水産省令第56号)並びに令和2年農林水産省告示第1684号(飼料及び飼料添加物の成分規格等に関する省令別表第1の6の(1)のアの規定に基づき、同アの農林水産大臣が定める方法を定める件)及び令和2年農林水産省告示第1685号(飼料及び飼料添加物の成分規格等に関する省令別表第1の6の(1)のイの規定に基づき、同イの農林水産大臣が定める方法を定める件)が公布され、令和3年4月1日付けで施行されることとなりました。これを受け、飼料の安全性を確保するための具体的な対応等を規定した「食品循環資源利用飼料の安全確保のためのガイドライン」を別添のとおり策定したので、御了知の上、関係者に対し、周知・指導の徹底をお願いします。
 なお、本通知の発出に伴い、「食品残さ等利用飼料の安全確保のためのガイドライン」(平成18年8月30日付け18消安第6074号農林水産省消費・安全局長通知)は廃止することとしますので、併せて通知します。当該通知においては、飼料の有害微生物による汚染防止対策、飼料への有害物質や異物などの混入防止対策、動物由来たん白質の分別管理等の牛海綿状脳症対策について規定していたところ、これらの対策は飼料の安全確保のために引き続き重要であることから、今般発出するガイドラインにおいても規定しているので、このことについても御了知ください。
            
別添

食品循環資源利用飼料の安全確保のためのガイドライン
第1 目 的
 飼料の製造、保管、給与等を行うに当たっては、最終生産物を食品として摂取する人及び飼料を与えられる動物の健康への悪影響の防止に配慮する必要がある。
 特に、アフリカ豚熱(以下「ASF」という。)、豚熱(以下「CSF」という。)等の豚の家畜伝染病対策においては、加熱処理等が必要な食品残さとそれ以外とを適切に分別し、及び加熱処理等が必要な食品残さについては適正な加熱処理等を行うこと、また、牛海綿状脳症(以下「BSE」という。)対策においては、飼料への使用が認められていない動物由来たん白質を適切に分別し、混入防止対策を講ずることが重要である。さらに、飼料の安全をより効果的かつ効率的に確保するためには、飼料の製造業者は、自らが飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律(昭和28年法律第35号。以下「飼料安全法」という。)に規定する製造業者として飼料安全法を遵守する義務があることをよく認識するとともに、食品残さの排出者等関係者と連携し飼料の安全確保に努めることが重要である。
 このため、本ガイドラインは、食品残さを利用して製造される飼料の安全確保及び家畜衛生の観点から、飼料の製造業者等と食品残さ排出者との相互の確認及び原料収集、製造、保管、給与等の各過程における管理について、基本的な指針を示すこととする。
 なお、本ガイドラインは、飼料安全法及び家畜伝染病予防法(昭和26年法律第166号)の遵守を前提としている。
            
第2 定 義
 本ガイドラインで用いる用語の定義は、下記によるほか、飼料安全法及びその関係法令に用いられているものと同様とする。
1 食品廃棄物等
 食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律(平成12年法律第116号。以下「食品リサイクル法」という。)第2条第2項に規定する次に掲げる物品をいう。
(1)食品が食用に供された後に、又は食用に供されずに廃棄されたもの
(2)食品の製造、加工又は調理の過程において副次的に得られた物品のうち食用に供することができないもの
2 食品残さ
 食品廃棄物等のうち、飼料又は飼料の原料若しくは材料として利用することができるものをいう。
3 食品循環資源
 食品リサイクル法第2条第3項に規定する食品循環資源をいい、食品廃棄物等のうち有用なものをいう。食品廃棄物等のうち家畜に給与されるものは、加工の有無にかかわらず食品循環資源に該当する。
4 食品残さの種類
(1)食品製造副産物等
  下記の①から③までのいずれかに該当するものをいう。
① 米ぬか、酒かす、しょうちゅうかす、しょう油かす、でん粉かす、ビールかす、ふすま、麦ぬか、コーングルテンミール、果汁かす、とうふかす、パン屑、ビートパルプ、バガス、茶かす、糖蜜、コーンスチープリカー等食品の製造過程で得られる副産物
② 野菜カット屑等加工屑
③ 豚カット肉等(いのししのカット肉等を含む。以下同じ。)、馬カット肉等若しくは家きん肉等を原材料とする加工食品(ソーセージ、ハム、ベーコンその他これに類する食肉製品又はエキスに限る。)又は魚介類を原材料とする加工食品(かまぼこ、ちくわ、はんぺんその他これに類する魚肉ねり製品又はエキスに限る。)を製造する食品工場の製造過程において発生する残さ
(2)余剰食品
  飯、パン、麺類、とうふ、野菜、菓子、牛乳、アイスクリーム、総菜、弁当等食品として製造されたが、食品としての利用がなされないものをいう。
(3)調理残さ
  調理に伴い発生する残さをいう。
① 事業系調理残さ
 食事を提供する事業所から排出する調理残さをいう。
② 家庭調理残さ
 一般家庭から排出される調理残さをいう。
(4)食べ残し
  調理されたものが食用に供された後、食べ残されたものをいう。
① 事業系食べ残し
 食事を提供する事業所で発生する食べ残しをいう。
② 家庭食べ残し
 一般家庭で発生する食べ残しをいう。
5 食品循環資源利用飼料
 食品製造副産物等、余剰食品、調理残さ及び食べ残しをそのまま飼料として利用するもの又は原料として加工した飼料をいう。
6 肉
 牛、めん羊、山羊、鹿、豚、いのしし、馬又は家きんに由来する肉をいう。なお、肉を原料に含む食品を含む。
7 動物由来食品循環資源
 肉を扱う事業所等から排出される食品循環資源であって、肉及び肉と接触した可能性があるものをいう。なお、肉を扱う事業所等には、肉を原料とする食品を製造する事業所等を含み、肉と接触した可能性があるものには、肉を原料とする食品と接触した可能性があるものを含む。
8 処理済動物由来食品循環資源
 農林水産大臣が定める以下の方法により飼料の製造段階で加熱処理及び製造工程の管理(以下「加熱処理等」という。)が行われた動物由来食品循環資源をいう。
(1)飼料の製造段階において、動物由来食品循環資源に対し、撹拌しながらその全体の温度を90℃以上に60分間以上保つ方法又はこれと同等以上の効果を有する方法により加熱処理を行うこと。
(2)(1)の加熱処理が行われた動物由来食品循環資源に、当該加熱処理が行われていない動物由来食品循環資源が混入しないように取り扱うこと。
(3)(1)の加熱処理に係る温度及び時間を帳簿に記載して2年間保存すること。
9 処理済食品由来動物由来食品循環資源
 農林水産大臣が定める以下の方法により食品の製造段階で加熱処理等が行われた食品のみに由来する動物由来食品循環資源をいう。
(1)飼料の原料として用いる動物由来食品循環資源に含まれる肉及び肉を含む食品の製造段階において、肉の中心部の温度を70℃以上に30分間以上保つ方法又はこれと同等以上の効果を有する方法により加熱処理を行うこと。
(2)(1)の加熱処理が行われた肉又は肉を含む食品に、当該加熱処理が行われていない肉又は肉を含む食品が混入しないように取り扱うこと。
10 確認済動物由来たん白質
 飼料及び飼料添加物の成分規格等に関する省令(昭和51年農林省令第35号。以下「成分規格等省令」という。)別表第1の2に規定する確認済ゼラチン等、確認済豚血粉等、確認済豚肉骨粉等、確認済馬肉骨粉等、確認済原料混合肉骨粉等、確認済チキンミール等、確認済家きん加水分解たん白質等、確認済牛血粉等及び確認済牛肉骨粉等をいう。
            
第3 食品循環資源利用飼料の安全確保に係る基本的な考え方について
1 ASF、CSF等の豚の家畜伝染病対策について
 ASF、CSF等に感染した動物の肉等には、その疾病の病原体が含まれる可能性が極めて高いことから、非加熱又は加熱不十分な肉を含む可能性があるもの、肉と接触した可能性があるもの等を豚に給与することは、ASFを始めとする豚の家畜伝染病の発生リスクを高めることとなる。
 そのため、豚に給与される可能性がある食品残さは、肉を含む可能性及び肉と接触した可能性がないと判断できない限り、適切な加熱処理等を行う必要がある。
 このような考え方に基づき、①豚用飼料の原料として食品残さを受け入れる際には、加熱処理等の対象となる食品残さが含まれるか否かを確認すること、②加熱処理等の対象となる食品残さ(動物由来食品循環資源)を豚用飼料の原料とする場合には、確実に加熱処理等を行い、その記録を作成すること、③食品循環資源利用飼料を豚に給与する場合には、加熱処理等の対象となる食品残さが含まれていないこと又は飼料中に含まれる動物由来食品循環資源が全て、適切に加熱処理等が行われたもの(処理済動物由来食品循環資源、処理済食品由来動物由来食品循環資源又は確認済動物由来たん白質)であることを確認することが重要である。〔成分規格等省令別表第1の6〕
2 BSE対策について
 BSE対策については、飼料に含むことができる動物由来たん白質の種類等が成分規格等省令において厳格に定められている。具体的には、反すう動物(牛、めん羊、山羊及び鹿をいう。)に給与される可能性がある飼料には、ほ乳動物由来たん白質(乳、乳製品並びに「飼料及び飼料添加物の成分規格等に関する省令の規定に基づく動物由来たん白質及び動物性油脂の農林水産大臣の確認手続について」(平成17年3月11日付け16消安第9574号農林水産省消費・安全局長通知)の第1の2の(2)の農林水産大臣の確認(以下「大臣確認」という。)を受けたゼラチン及びコラーゲンを除く。)、家きん由来たん白質(卵及び卵製品を除く。)及び魚介類由来たん白質を含んではならない。また、豚及び家きんに給与される可能性がある飼料にも、一定の要件を満たす動物由来たん白質以外は含んではならない。
 また、第2の4の(1)の③の食品残さを原料として使用する食品循環資源利用飼料製造事業場等は、動物由来たん白質の規制の観点から、大臣確認も受けなければならないことに留意が必要である。
 さらに、飼料の原料の受入、製造、保管等における動物由来たん白質の混入防止対策については、「反すう動物用飼料への動物由来たん白質の混入防止に関するガイドライン」(平成15年9月16日付け15消安第1570号農林水産省消費・安全局長通知)を参照し、動物由来たん白質の混入防止の徹底を図らなければならない。〔成分規格等省令別表第1の2〕
3 飼料製造業者等の届出及び飼料の安全確保に係る関係者相互の協力・確認体制について
(1)飼料製造業者等の届出について
  以下①から⑤までにより、飼料安全法に基づく飼料製造業者等の届出を適切に行う必要がある。
① 食品残さを飼料として販売(反復継続して、対価を得て他者に譲り渡すことをいう。)する者又は食品循環資源利用飼料を販売する者は、法人、個人を問わず飼料安全法第50条第2項に基づき、都道府県知事に飼料販売業者届を提出しなければならない。
② 食品循環資源利用飼料を製造し、さらに販売又は対価を得ずに譲渡する者は、飼料安全法第50条第1項に基づき、農林水産大臣に飼料製造業者届を提出しなければならない。飼料の「製造」とは、飼料の原料に一定の加工処理(加熱、乾燥、粉砕、混合等)を加える行為を指す。なお、食品リサイクル法第11条に基づき登録を受けた者は、この限りではない。
③ 食品残さを自ら収集して、飼料を製造し、自らが飼養する家畜のみに給与している農家、すなわち全量自家消費を行う農家は、飼料製造業者届の提出は不要であるが、飼料製造業者に該当するため、飼料安全法を遵守する義務がある。
④ 食品製造副産物等のうち、定義の①及び②に該当するものを飼料又は飼料の原料として排出している業者は、飼料製造業者に該当する。
⑤ なお、プロピオン酸等を飼料に添加する場合には、飼料安全法第25条第1項に基づき、飼料製造管理者を設置するとともに、農林水産大臣に飼料製造管理者届を提出しなければならない。
(2)原料排出者(食品残さを排出する食品製造業者等)における分別等の確認等
① 食品残さを飼料製造業者又は畜産農家に飼料又は飼料の原料として販売又は譲渡する場合
ア 原料排出者は、排出する食品残さに加熱処理等の対象のものが含まれるか否か等を、自らの責任で確認すること。(第4の1の(1)参照)
イ 原料排出者は、加熱処理等の対象のものが含まれる場合には、販売・譲渡先の事業場が、加熱処理等を行うことができる施設であるか否かを確認すること。
ウ 原料排出者は、ア及びイによるほか、排出する食品残さに、飼料利用に不適切なものが混入していないことを確認すること。(第4の1の(2)参照)
② 食品残さを廃棄物処理業者に廃棄物として排出する場合
ア 廃棄物処理業者が、引き受けた食品残さを飼料又は飼料の原料として利用、販売又は譲渡する可能性があるため、原料排出者は、排出する食品残さに加熱処理等の対象のものが含まれるか否かを確認するとともに、加熱処理等の対象のものが含まれる場合はその旨を当該処理業者に対して明確に伝えるなど、当該処理業者が行う飼料の安全確保のための対応に協力すること。
イ 原料排出者は、アによるほか、排出する食品残さに、飼料利用に不適切なものが混入していないことを確認するなど、当該処理業者が行う飼料の安全確保のための対応に協力すること。
(3)原料受入者(飼料製造業者(食品循環資源利用飼料製造事業場)、飼料販売業者等)における分別等の確認等
① 原料排出者である食品製造業者等から直接食品残さを受け入れている業者等の場合
ア 原料受入者は、原料排出者全てを把握し、事業場ごとに原料排出者一覧表を作成すること。
イ 原料受入者は、各原料排出者に対して、受入可能な食品残さの種類、自らの施設で加熱処理等を行うことができるのか否かを示すこと。
ウ 原料受入者は、各原料排出者に対して、受け入れる食品残さに加熱処理等の対象のものが含まれるか否かの確認を求めるとともに、自らも確認すること。(第4の3の(1)参照)
エ 原料受入者は、ア、イ及びウによるほか、各原料排出者に対して、受け入れる食品残さに、飼料利用に不適切なものが混入していないことの確認を求めるとともに、自らも確認すること。(第4の3の(2)参照)
  なお、豚用飼料・豚用飼料の原料を扱おうとする飼料製造業者であっても、加熱処理等を行わない業者の場合には、動物由来食品循環資源を受け入れてはならない。
② 原料排出者である食品製造業者等から直接食品残さを受け入れていない業者等の場合(収集業者を介す場合など)
ア 原料受入者は、直接原料排出者に対して、又は収集業者等を介して、①を行うこと。
イ 原料受入者は、アに加えて、収集業者等における食品残さへの加熱処理等の対象のものの混入及び接触の有無を確認すること。
(4)原料排出者と原料受入者との契約
 原料受入者と原料排出者は、(2)及び(3)について相互に契約を締結することが望ましい。
 なお、収集業者等が介在する場合にあっても、相互に又は三者で契約を締結することが望ましい。
(5)原料排出者での確認
 原料受入者である飼料製造業者は、原料排出者に出向くこと等により、定期的に(4)の契約内容の遵守状況について確認する。
(6)原料排出者への周知・要請等
 原料受入者である飼料製造業者は必要に応じ、(4)の契約締結に際して、原料排出者に対して、動物由来食品循環資源の分別、異物の分別等の具体的手法等や、飼料安全に係る規制等について周知を行う。また、収集開始後、分別状況等に不適切な事例が認められた場合には、分別等の徹底を改めて要請するとともに、必要に応じて再周知又は原料の受入停止等の措置を行う。
(7)飼料製造業者における加熱処理等の規定への適合状況の確認及び届出等
 動物由来食品循環資源に限らず、食品循環資源を受け入れる飼料製造業者又は自ら排出する食品製造副産物等の食品循環資源を飼料として販売する食品製造(兼、飼料製造)業者のうち、飼料製造業者届の提出義務がある製造業者は、成分規格等省令別表第1の6及び本ガイドラインに規定された事項について、特に別紙1に留意して、自ら適合状況の確認を行う。
 当該確認を行った結果、適合していると判断した場合は、速やかに、独立行政法人農林水産消費安全技術センター(以下「FAMIC」という。)を経由して消費・安全局長に対し、別紙2について届け出ることとする。
 届出後、以下のいずれかに該当する場合には、速やかに、FAMICを経由して消費・安全局長に対し、別紙3により変更届を提出することとする。
① 会社名、主たる事務所の所在地、事業場名又は事業場の所在地の住所表記に変更があった場合
② 事業場の改築等により、加熱処理等に関する製造機械等を新規導入し、又は変更する場合
③ 受け入れる食品残さの種類の変更等により、加熱処理等の条件等を変更する場合
 なお、飼料安全法第50条第4項の規定に基づく飼料製造業者届出事項変更届については、都道府県の窓口を経由して提出する。
            
第4 食品循環資源利用飼料の原料の収集、製造、保管等における安全確保対策
1 原料排出者(食品残さを排出する食品製造業者等)における食品残さの確認と管理
(1)食品残さに加熱処理等の対象のものが含まれるか否かの確認
 第3の3の(2)及び(3)において、食品残さに加熱処理等の対象のものが含まれるか否かの確認は、以下により行うこと。
① 分別管理の状況により、加熱処理等の対象のものが含まれていないと判断する場合
 加熱処理等の対象のものとは、肉を扱う事業所等から排出される食品循環資源であって、肉と接触した可能性があるものである動物由来食品循環資源を指す。
 原則として、肉を扱う事業所から排出される食品循環資源は、動物由来食品循環資源に該当するが、肉を扱う事業所から排出される食品循環資源であっても、別紙4により、建屋間、フロア間又はライン間での食品及び食品残さの分別管理の状況により肉と接触した可能性がないと判断できる場合には、動物由来食品循環資源に該当しないこととすることができる。
 一方、製品としては植物性のもののみを扱う事業所、すなわち、肉を扱わない事業所であっても、同一事業所内に社員食堂等肉を扱う施設がある場合であって、当該施設から排出される食品残さも区別なく排出している場合には、当該事業所から排出される食品循環資源も動物由来食品循環資源に該当する。
② 食品の製造段階における加熱処理等の状況及びその後の交差汚染防止対策の状況により、加熱処理等の対象のものが含まれていないと判断する場合
 別紙5に該当するものは、食品の製造段階における加熱処理等の状況及びその後の交差汚染防止対策の状況により、加熱処理等の対象に該当しないもの、すなわち処理済食品由来動物由来食品循環資源に該当することとすることができる。
(2)食品残さに飼料利用に不適切なものが混入していないことの確認
 第3の3の(2)及び(3)において、食品残さに飼料利用に不適切なものが混入していないことの確認は、特に以下に留意して行うこと。
① 食品製造副産物等
 BSE対策の観点から規制されている、飼料に含んではならない動物由来たん白質の混入防止のため、平時から食品工場等における分別管理が徹底されていることを確認すること。
 大臣確認を受けていない食品循環資源利用飼料製造事業場においては、第2の4の(1)の③の食品残さを飼料の原料として使用してはならないことから、大臣確認を受けていない食品循環資源利用飼料製造事業場には、このような残さを飼料の原料として排出しないこと。
② 余剰食品
 包装品にあっては、包装資材を極力除去すること。
③ 事業系調理残さ及び事業系食べ残し
 調理残さは、調理器具の破片等の異物の混入がないことを確認し、それのみを分別し、専用の容器(以下「分別専用容器」という。)に入れること。病原微生物等に汚染されている蓋然性が高いものは、飼料の原料として排出しないこと。
 食べ残しは、調理残さに比べ有害なものが混入する可能性が高いことから、たばこ等の食品以外の異物の混入がないことを確認し、はし、つまようじ等を除去した後、蓋付きの分別専用容器への収納等により、有害物質を確実に除去できる場合以外は飼料の原料として排出しないこと。
 なお、分別専用容器は、収集後は洗浄又は消毒すること。また、国際線の航空機及び海外航路船から排出される調理残さ等は、動物検疫の観点から原則として陸揚げが認められていない。これらを含め外国関連施設から排出される調理残さ等は、飼料の原料として使用しないこと。
④ 家庭調理残さ及び家庭食べ残し
 ③に比べて多種の異物が混入する可能性が高く、安全の確保が難しいことから原則として飼料の原料としないこと。
 ただし、食育の観点等から、例外的に飼料の原料として利用する場合には、特別に設置した管理組織により分別状況をモニタリングして確認及び記録するなど、③以上に厳格に分別すること。特に、ほ乳動物由来たん白質等を含むペットフードなどの食品以外の異物が混入することのないように分別を徹底すること。
 また、モニタリングの徹底等により、原料排出者ごとの分別状況の確認及び記録をすること。
⑤ その他
ア かびの発生及び腐敗の状態を目視及び臭気により確認し、かびの発生又は腐敗が認められるものは飼料の原料としないこと。
イ 原料排出者においては、目視による確認の困難な洗剤等の混入も防止すること。
ウ 原料排出者における食品残さの保管は、保冷庫又は冷暗所に保管するなど、排出物の種類及び収集までの保管期間に応じた、かびの発生及び腐敗を防止する対策をとること。
エ 原料排出者における食品残さの保管は、病原微生物汚染を防止する観点から、カラス、ネズミ、ネコ、イヌ、キツネ、いのしし、ハエ、ゴキブリ等(以下「カラス等」という。)との接触及び異物の混入を防止するため、原則として蓋付きの専用容器に入れること。
2 原料運搬者(食品製造業者、飼料製造業者、収集業者等)による原料の運搬・保管
(1)原料運搬者は、由来の異なる食品残さについて、表示等によりそれぞれ識別できるよう、運搬・保管を行うこと。
(2)原料運搬者は、加熱処理等の対象となる食品残さと加熱処理等の対象とならない食品残さとを同一の車両・空間で運搬・保管する場合には、容器の専用化や表示等によりそれぞれ相互に接触しないように運搬・保管を行うこと。
(3)原料運搬者は、野菜カット屑等腐敗しやすい食品残さを飼料の原料とする場合には、以下により運搬及び保管を行うこと。
① 原料排出者での保管期間は極力短くし、迅速に収集すること。
② 運搬に際しては、カラス等から隔離し、及び異物の混入を防止するため、原則として蓋付きの専用容器に入れること。専用容器は、使用後洗浄又は消毒すること。
③ 運搬は保冷車で行うことが望ましいが、保冷車を用いない場合には、極力移動距離を短くし、腐敗、脂質の酸化等の品質劣化を防止すること。
④ 原料受入者に運搬した食品残さは、できるだけ早く製造又は使用に供し、一時保管する場合は保冷庫又は冷暗所で保管すること。特に、食べ残しを含む食品残さについては、排出から製造又は使用までを迅速に行い、長期保管は行わないこと。
3 原料受入者(飼料製造業者(食品循環資源利用飼料製造事業場)、飼料販売業者等)における食品残さの受入
(1)食品残さに加熱処理等の対象のものが含まれるか否かの確認
 豚用飼料を製造する事業場において、食品循環資源を飼料の原料として受け入れる場合には、当該食品循環資源に動物由来食品循環資源が含まれるか否かを確認すること。動物由来食品循環資源が含まれる場合には、当該動物由来食品循環資源が全て、処理済食品由来動物由来食品循環資源又は確認済動物由来たん白質に該当するか否かを確認すること。
 全ての動物由来食品循環資源が処理済食品由来動物由来食品循環資源又は確認済動物由来たん白質に該当しない場合であって、当該動物由来食品循環資源を豚用飼料の製造工程で使用する場合には、製造段階で確実に加熱処理等を行うこと。また、しょうちゅうかすや野菜カット屑など、動物由来食品循環資源に該当しない食品循環資源を豚用飼料の製造工程で使用する場合には、加熱処理等の対象の動物由来食品循環資源と接触しないよう取り扱うこととし、接触した場合には、加熱処理等の対象となるので留意すること。
 加熱処理等を行わない事業場においては、製造した飼料の出荷先が加熱処理等を行う事業場であることが担保できる場合を除いて、加熱処理等が必要な飼料の原料を受け入れてはならず、この担保は、両製造業者間における契約等により行うこと。
(2)食品残さに飼料利用に不適切なものが混入していないことの確認
 BSE対策の観点から規制されている、飼料に含んではならない動物由来たん白質の混入防止のため、平時から食品工場等における分別管理が徹底されていることを確認すること。
 大臣確認を受けていない食品循環資源利用飼料製造事業場においては、第2の4の(1)の③の食品残さを飼料の原料として使用しないこと。
 また、かびの発生、腐敗等が認められ飼料の原料として不適当なものは、飼料の製造に用いないこと。
 余剰食品については、特に原料収集時に分別できなかった包装資材を分別除去すること。また、事業系調理残さ及び事業系食べ残しは、原料収集時に分別できなかった金属異物、はし、つまようじ等を目視、網ふるい、磁石等により除去すること。
4 飼料の製造
(1)細菌、ウイルス等病原微生物汚染対策(加熱処理等の条件等)
① 3の(1)で、加熱処理等が必要な原料を受け入れている場合には、以下のとおり、加熱処理等を行うこと。
ア 豚用飼料を製造する飼料製造業者及び豚用飼料と同じ製造工程で、豚以外の家畜用飼料を製造する飼料製造業者(製造した飼料の出荷先が加熱処理等を行う事業場であることが担保できる場合を除く。)
  成分規格等省令別表第1の6に基づき、以下の加熱処理等を行うこと。
(ア)原料として用いる動物由来食品循環資源について、撹拌しながらその全体の温度を90℃以上に60分間以上保つ方法又はこれと同等以上の効果を有する方法により加熱処理を行うこと。なお、同等以上の効果を有する方法の例として、撹拌しながらその全体の温度を95℃以上に19分間以上又は100℃以上に6分間以上保つ方法が挙げられる。
(イ)(ア)の加熱処理が行われた動物由来食品循環資源に当該加熱処理が行われていない動物由来食品循環資源が混入しないように取り扱うこと(再汚染防止対策を講ずること)。
(ウ)(ア)の加熱処理に係る温度及び時間を帳簿に記載して2年間保存すること。
イ 豚以外の家畜用飼料のみ製造する飼料製造業者
  本ガイドラインに基づき、以下の加熱処理等を行うこと。
(ア)原料として用いる動物由来食品循環資源について、撹拌しながらその全体の温度を70℃以上に30分間以上若しくは80℃以上に3分間以上保つ方法又はこれと同等以上の効果を有する方法により加熱処理を行うこと。
(イ)(ア)の加熱処理が行われた動物由来食品循環資源に当該加熱処理が行われていない動物由来食品循環資源が混入しないように取り扱うこと。
 なお、当該加熱処理等を行った動物由来食品循環資源については、その他の食品循環資源と区別するため、以下「70℃加熱動物由来食品循環資源」という。
② 食品循環資源に動物由来食品循環資源が混入している可能性がない場合であっても、病原微生物汚染を防止する観点から、必要に応じて適切な温度で加熱すること。
③ 加熱処理等における留意事項
 加熱処理等に当たっては、以下の点に留意すること。
ア 加熱処理は、確実に飼料全体の品温(飼料自体の温度をいう。以下同じ。)が目的温度に達するように行うこと。
イ 加熱方法によっては設定温度と実際の品温が大幅に異なることがあることから、品温のモニタリングを適切に行う等により、①又は②の加熱条件を満足すること。
ウ 原料が細かく粉砕された状態になっており、原料が液体(水や油)中で加熱されている場合には、液温を品温とみなすことができること。
エ 品温と雰囲気温度(飼料の加熱を行うための容器内の気体温度をいう。以下同じ。)の関係性が検証されている場合には、雰囲気温度の測定に代えることができること。
オ 焦げ付くような加熱等過度な加熱は、アクリルアミド等健康に悪影響を与える可能性がある化学物質を過剰に生成させる可能性があることから、過度な加熱を避けるよう加熱条件を設定すること。
カ 加熱処理は、脱脂工程や乾燥後の保温工程で達成される方式によっても差し支えないこと。
キ 加熱温度の測定・記録は、データロガー等により連続的に行われることが望ましいが、確実に測定し記録されれば、この方法に限定するものではないこと。
ク 再汚染防止対策は、ワンウェイ(原料の投入から製品の搬出までの工程が一方向であることをいう。)が望ましいが、原料と製品の置き場所を分ける、管理により相互の接触を避けるなどを組み合わせた管理によっても差し支えないこと。
④ 飼料の品質の低下防止を目的とした飼料添加物の使用
 細菌、ウイルス等病原微生物汚染対策として抗酸化剤、防かび剤等の添加物を用いる場合には、食品添加物ではなく飼料添加物として指定されているものを用いること。また、その際には当該飼料添加物について定められた基準・規格を遵守しなければならないこと。
(2)配合飼料の原料の製造における留意事項
 配合飼料の原料を製造する場合には、粉末乾燥処理を行い、水分を13.5%以下にすることが望ましい。
5 品質管理
(1)試料の採取
 試料の採取は、「飼料等検査実施要領」(昭和52年5月10日付け52畜B第793号畜産局長通知)に準じて行うこと。
(2)分析項目及び分析頻度
 有害物質又は病原微生物の汚染の防止を図る観点から、それぞれの製品の特性に応じてかび毒、残留農薬、重金属、病原微生物、脂質の酸化生成物、食塩、硝酸塩、揮発性塩基性窒素等の中から分析項目、分析頻度等を選定すること。
(3)分析方法及び分析場所
 分析方法は、「飼料分析基準」(令和5年12月1日付け5消安第4714号農林水産省消費・安全局長通知)によることを原則とするが、市販の簡易検査キット等を用いても差し支えない。なお、分析は、自社の品質管理室又は外部の分析機関で行うこと。
(4)品質管理基準
 製品の品質管理の基準は、成分規格等省令別表第1及び「飼料の有害物質の指導基準及び管理基準について」(昭和63年10月14日付け63畜B第2050号農林水産省畜産局長通知)を参考とすること。
(5)品質管理台帳及びその保存
 品質管理台帳に製造年月日、試料採取年月日、分析者、分析結果、分析結果に基づいて実施した措置内容等を記載し、8年間保存すること。
6 飼料の保管、出荷等
(1)飼料の保管
① 飼料は、動物由来食品循環資源、処理済動物由来食品循環資源、処理済食品由来動物由来食品循環資源及び確認済動物由来たん白質のいずれを含むものであるかが、識別可能となるような容器で保管すること。
② 動物由来食品循環資源が、処理済動物由来食品循環資源、処理済食品由来動物由来食品循環資源及び確認済動物由来たん白質並びにこれらを原料に含む飼料に混入しないよう、分別して保管すること。
③ 動物由来食品循環資源を原料とする飼料が、処理済動物由来食品循環資源、処理済食品由来動物由来食品循環資源及び確認済動物由来たん白質並びにこれらを原料に含む飼料に混入しないよう、分別して保管すること。
④ カラス等からの隔離又は異物混入を防止するため、紙袋、トランスバック等密閉容器に保管すること。
⑤ 水分含量等製品の状況に応じた温度管理を行い保管することとするが、かびの発生や腐敗を防止するため、可能な限り早く出荷すること。
⑥ 保管場所は、定期的に洗浄、消毒等を行い、保管容器の外装やフォークリフトなどの輸送機器等の再汚染を極力低減させるよう努めること。
⑦ 製品の輸送容器は、新品を用いるか、再利用する場合には、洗浄・消毒が可能な容器を用いること。
(2)出荷先の制限
① 処理済動物由来食品循環資源、処理済食品由来動物由来食品循環資源又は確認済動物由来たん白質に該当しない動物由来食品循環資源は、豚用飼料に用いることができないことから、加熱処理等を行わない飼料製造業者、飼料販売業者及び養豚農家に出荷しないこと。
② 処理済動物由来食品循環資源、処理済食品由来動物由来食品循環資源、確認済動物由来たん白質又は70℃加熱動物由来食品循環資源に該当しない動物由来食品循環資源は、家畜用飼料に用いることができないことから、加熱処理等を行うことができない飼料製造業者、飼料販売業者又は畜産農家に出荷しないこと。
③ 動物由来たん白質は、加熱処理等の有無にかかわらず、用途等によって含んでよい動物由来たん白質の種類が厳格に定められていることから、受入可能な飼料製造業者、飼料販売業者又は畜産農家以外に出荷しないこと。
(3)製品の表示
 製品を出荷する際には、以下の内容を表示すること。
① 飼料の名称又は種類
② 製造(輸入)年月
③ 製造(輸入)業者の氏名又は名称及び住所
④ 製造事業場の名称及び所在地(輸入に係るものにあっては、輸入先国名)
⑤ 動物由来食品循環資源(処理済動物由来食品循環資源、処理済食品由来動物由来食品循環資源及び確認済動物由来たん白質を除く。)及び動物由来食品循環資源(処理済動物由来食品循環資源、処理済食品由来動物由来食品循環資源及び確認済動物由来たん白質を除く。)を原料とする飼料には、対象家畜等
⑥ ほ乳動物由来たん白質等を含有する場合には、次の文字
「使用上及び保存上の注意
1 この飼料は、牛、めん羊、山羊及び鹿には使用しないこと(牛、めん羊、山羊又は鹿に使用した場合は処罰の対象となるので注意すること。)。
2 この飼料は、牛、めん羊、山羊及び鹿を対象とする飼料(飼料を製造するための原料又は材料を含む。)に混入しないよう保存すること。」
⑦ 抗酸化剤等飼料添加物が添加されている場合には、飼料安全法に定められた表示事項
7 帳簿の記載等
(1)製造時の帳簿の記載
 製品を製造した場合には、遅滞なく、次の事項を帳簿に記載すること。
① 名称
② 数量
③ 製造年月日
④ 製造に用いた原料又は材料の名称及び数量
⑤ 製造に用いた原料又は材料が譲り受けたものであるときは、譲り受けの年月日及び相手方の氏名又は名称
(2)原料排出者リストの入手
 原料を自ら収集しない場合には、収集業者から収集日ごとに原料排出者のリストを入手すること。
(3)製品の譲り渡しに際しての帳簿の記載
 製品を譲り渡したときは、その都度、次の事項を帳簿に記載すること。
① 名称
② 数量
③ 年月日
④ 相手方の氏名又は名称
⑤ 荷姿
(4)帳簿の保存期間
 (1)、(2)及び(3)の帳簿等は、8年間保存すること。
            
第5 製造等管理体制
1 飼料業務管理規則
(1)第4の1から7までを効果的かつ効率的に実行するため、飼料業務管理規則を策定し、これを書面化することが望ましい。
(2)飼料業務管理規則に基づく業務管理の実施及びその確認については、その内容を記録し、8年間保存することが望ましい。
(3)飼料業務管理規則に基づく業務管理を的確に実施するため、飼料業務管理責任者を設置することが望ましい。
2 飼料品質管理規則
(1)第4の5の具体的内容を定めた飼料品質管理規則を策定し、これを書面化することが望ましい。
(2)飼料品質管理規則に基づく分析の実施及びその結果については、その内容を記録し、8年間保存することが望ましい。
(3)飼料品質管理規則に基づく品質管理を的確に実施するため、飼料品質管理責任者を設置することが望ましい。
            
第6 畜産農家等における原料収集、原料の運搬・保管、製造、飼料の保管及び使用
1 原料収集、原料の運搬・保管、製造及び飼料の保管
 第4の1から4まで及び6の(1)によること。
2 使用
(1)使用の制限
① 食品循環資源利用飼料にほ乳動物由来たん白質等を含む場合、当該飼料は、反すう動物に使用してはならない。〔成分規格等省令別表第1の2関係〕
② 処理済動物由来食品循環資源、処理済食品由来動物由来食品循環資源又は確認済動物由来たん白質に該当しない動物由来食品循環資源は、豚に使用してはならない。〔成分規格等省令別表第1の6関係〕
 また、ASF、CSF等の感染を防止する観点から、いのししにも使用しないこと。
③ 処理済動物由来食品循環資源、処理済食品由来動物由来食品循環資源、確認済動物由来たん白質又は70℃加熱動物由来食品循環資源に該当しない動物由来食品循環資源は、家畜等に使用してはならない。
(2)使用上の注意事項
 搬入された飼料は、速やかに使用すること。また、食塩、硝酸塩の含有量を含め栄養成分量を把握し、適切な割合で使用すること。
(3)帳簿の記載等
① 製造時の帳簿の記載
 第4の7によること。
② 使用時の帳簿の記載
 飼料を使用した後に、飼料安全法に定められた次に掲げる事項を帳簿に記載して保存するよう努めなければならない。
ア 当該飼料を使用した年月日
イ 当該飼料を使用した場所
ウ 当該飼料を使用した家畜等の種類
エ 当該飼料の名称
オ 当該飼料の使用量
カ 当該飼料を譲り受けた年月日及び相手方の氏名又は名称
③ 帳簿の保存期間
 ①の帳簿は、飼料安全法に定められた8年間保存しなければならない。
 また、②の帳簿は、次の各項目に掲げる動物に応じ、当該各項目に掲げる期間保存することが望ましい。
ア 牛 8年間
イ 採卵鶏、馬(食用に供しない馬を除く。) 5年間(乗用馬等非食用に飼養されていた馬について、食用として肥育することとした場合にあっては、飼料の給与開始日から2年間)
ウ 豚、ブロイラー 2年間
エ ぶり、まだい、かんぱち、ひらめ、とらふぐ、しまあじ、ひらまさ、たいりくすずき、すずき、くろまぐろ、こい(食用に供しないこいを除く。)、にじます、やまめ、あまご、にっこういわな、えぞいわな、やまといわな 4年間
オ ぎんざけ、まあじ、すぎ、うなぎ 3年間
カ あゆ、くるまえび 2年間
キ その他の家畜 畜産物になるまでの期間等を考慮した適切な期間
            


食品循環資源を飼料の原料として受け入れる食品循環資源利用飼料製造事業場における
適合状況の確認に当たっての留意事項
            
1.食品残さの受入に係る分別等の確認(第3の3の(3)及び第4の3関係)
(1)原料排出者である食品製造業者等を全て把握し、事業場ごとに原料排出者一覧表を作成すること。
(2)各原料排出者に対して、受入可能な食品残さの種類及び自らの施設で加熱処理等が行うことができるのか否かを示すこと。
(3)各原料排出者への確認等を通じて、各原料排出者から受け入れる食品残さの種類及び受け入れる食品残さに加熱処理等の対象のものが含まれるか否かを確認すること。
(4)収集業者等を介する場合等においても、(2)及び(3)を行うとともに、収集業者等に対して、食品残さへの加熱処理等の対象のものの混入及び接触の有無を確認すること。
2.食品残さの運搬、保管(第4の2関係)
 原料運搬者に対して、原料排出者から飼料製造事業場までの運搬・保管の過程において、加熱処理等の対象となる食品残さと加熱処理等の対象とならない食品残さとを同一の車両で運搬し、又は同一の場所で保管する場合には、容器の専用化や表示等によりそれぞれ相互に接触しないように対策を講じていることを確認すること。
3.飼料の製造等(第4の4の(1)関係)
 1の(3)の確認により、加熱処理等の対象のものが含まれることが確認された場合、
(1)以下の全てを行うこと。
① 適正な加熱処理を行うこと。
② ①の加熱処理が行われたものに、当該加熱処理が行われていないものが混入しないように取り扱うこと。
③ ①の加熱処理に係る温度及び時間を帳簿に記載して2年間保存すること。
又は、
(2)当該事業場において適正な加熱処理等を行わない場合、製造した飼料の出荷先が加熱処理等を行う事業場であることを契約等により担保できるようにすること。
4.飼料の保管、出荷等(第4の6関係)
 自らの施設で製造された飼料の保管及び出荷の工程において、豚用飼料又は豚用飼料として利用される可能性がある飼料に、加熱処理等の対象となる原料や飼料が混入しないよう対策を行うこと。
5.帳簿の記載等(第4の7関係)
 原料の受入並びに飼料の製造及び譲り渡しについて、帳簿を作成し、適切に記載すること。


別紙2

別紙3

肉を扱う事業所等における分別管理の状況により、
加熱処理等の対象のものが含まれていないと判断する場合の確認事項

1.肉を扱う建屋と、扱わない建屋間での分別管理
 以下の(1)から(4)までの全てを満たすことが確認できる場合、肉を扱わない建屋から排出される食品残さは、加熱処理等の対象のものが含まれていないと判断できる。
(1)肉を扱う建屋と扱わない建屋との間で、
・作業者、巡回者含め、人の行き来はない。 又は
・作業者の行き来はあるが、出入りの際に、必ず手洗い及び消毒を行うこととなっており、また、巡回等のための人の行き来はあるが、食品や食品残さには一切触れることがない。
(2)肉を扱う建屋と扱わない建屋、それぞれから発生する食品残さは、
・それぞれ別の、表示と蓋の付いた専用容器に保管している。 又は
・それぞれ別の、表示のついた新品の袋に保管している。
(3)肉を扱う建屋と扱わない建屋、それぞれから発生する食品残さの保管場所は、
・別々である。 又は
・同一の場所であるが、表示及び蓋の付いた専用容器又は表示の付いた新品の袋でそれぞれが接触しないように保管しており、外装が汚染されないように対策している。
(4)食品残さの収集の際、
・当該事業所職員が立ち会う。 又は
・当該事業所職員は立ち会わないが、収集者に対して分別収集等のルールを明確に示しており、当該ルールに従って作業した旨のチェックがなされることとなっている。

2.肉を扱うフロアと、扱わないフロア間での分別管理
 「フロア」とは、壁やドアなど物理的な障壁によって区分された空間をいい、各フロアについて、以下の(1)から(4)までの全てを満たすことが確認できる場合、肉を扱わないフロアから排出される食品残さは、加熱処理等の対象のものが含まれていないと判断できる。
(1)肉を扱うフロアと扱わないフロアとの間で、
・作業者、巡回者含め、人の行き来はない。 又は
・作業者の行き来はあるが、出入りの際に、必ず手洗い及び消毒を行うこととなっており、また、巡回等のための人の行き来はあるが、食品や食品残さには一切触れることがない。
(2)肉を扱うフロアと扱わないフロア、それぞれから発生する食品残さは、
・それぞれ別の、表示と蓋の付いた専用容器に保管している。 又は
・それぞれ別の、表示のついた新品の袋に保管している。
(3)肉を扱うフロアと扱わないフロア、それぞれから発生する食品残さの保管場所は、
・別々である。 又は
・同一の場所であるが、表示及び蓋の付いた専用容器又は表示の付いた新品の袋でそれぞれが接触しないように保管しており、外装が汚染されないように対策している。
(4)食品残さの収集の際、
・当該事業所職員が立ち会う。又は
・当該事業所職員は立ち会わないが、収集者に対して分別収集等のルールを明確に示しており、当該ルールに従って作業した旨のチェックがなされることとなっている。

3.肉を扱うラインと、扱わないライン間での分別管理
 「ライン」とは、ある製品を製造するための一連の工程がある場所をいう。同一フロアに肉を扱うラインと肉を扱わないラインがある場合、以下の(1)から(5)までの全てを満たすことが確認できる場合、肉を扱わないラインから排出される食品残さは、加熱処理等の対象のものが含まれていないと判断できる。
(1)肉を扱うラインと扱わないラインとでは、
・パーティションなど物理的な隔壁がある。 又は
・物理的な隔壁はないが、表示等により作業場所の区分を明確にしており、食品の交差がない。
(2)肉を扱うラインと扱わないラインとの間で、
・作業者、巡回者含め、人の行き来はない。 又は
・作業者の行き来はあるが、ライン間の移動の際に、必ず手洗い及び消毒を行うこととなっており、また、巡回等のための職員の行き来はあるが、食品や食品残さには一切触れることがない。
(3)肉を扱うラインと扱わないライン、それぞれから発生する食品残さは、
・それぞれ別の、表示と蓋の付いた専用容器に保管している。
・それぞれ別の、表示の付いた新品の袋に保管している。
(4)肉を扱うラインと扱わないライン、それぞれから発生する食品残さの保管場所は、
・別々である。 又は
・同一の場所であるが、表示及び蓋の付いた専用容器又は表示の付いた新品の袋でそれぞれが接触しないように保管しており、外装が汚染されないように対策している。
(5)食品残さの収集の際、
・当該事業所職員が立ち会う。 又は
・当該事業所職員は立ち会わないが、収集者に対して分別収集等のルールを明確に示しており、当該ルールに従って作業した旨のチェックがなされることとなっている。

 なお、1から3まで全てにおいて、食品を製造する事業所内に入る際に、更衣、靴の履き替え、手洗い及び消毒を行っていることを前提とする。


食品の製造段階における加熱処理等の状況により、
加熱処理等の対象のものが含まれていないと判断する場合の確認事項

 以下の1から4までのいずれかに該当するものは、処理済食品由来動物由来食品循環資源に該当すると判断することができる。
1.肉等の塊がなく、常温で6か月以上保存可能なエキス(肉エキスパウダーを含む。)
2.缶詰やレトルト加工された肉加工品
3.中心温度で70℃以上に30分間以上又はこれと同等以上の加熱処理をしたことが、客観的に判断できる検証可能(事後に確認可能)なデータに基づいて、食品製造業者により証明された肉加工品
4.食品製造業者等から排出される、肉の調理に用いた回収食用油であって、冷めた後、肉と接触しないよう扱われたもの(食品製造業者等における社内の標準作業手順書(SOP)に盛り込むなどにより、扱いが明記されること)。家庭から排出される回収食用油は、これに該当しない。

 なお、1から4まで全てにおいて、加熱処理後に、加熱処理が必要なものと接触していないことを前提とする。
 このため、食品製造工場で製造された食品の余剰食品を当該食品製造工場から直接収集する場合を除いては、加熱処理後に、加熱処理が必要なものと接触したことが否定できないことから、食品製造工場から直接収集される余剰食品以外の余剰食品を処理済食品由来動物由来食品循環資源に該当すると判断することは原則困難である。特に、調理残さ及び食べ残しは、調理及び食事の際に、加熱処理が必要なものと接触したことが否定できないことから、処理済食品由来動物由来食品循環資源に該当すると判断することは原則困難である。


附 則〔令和2年8月31日付け2消安第2496号(農林水産省消費・安全局長通知)〕
1 本ガイドラインは、令和2年8月31日から施行する。ただし、成分規格等省令別表第1の6の加熱処理等に係る規定については、令和3年4月1日から施行する。
2 第3の3の(7)の規定による届出は、前項ただし書に規定する規定の施行前においても行うことができる。

附 則〔令和2年12月1日付け2消安第3705号(農林水産省消費・安全局長通知)〕
ほ乳動物由来たん白質等を含有する飼料に係る表示については、令和3年11月30日までは、この通知による改正後の食品循環資源利用飼料の安全確保のためのガイドラインの策定について(令和2年8月31 日付け2消安第2496 号農林水産省消費・安全局長通知)第4の6の(3)の⑥の規定にかかわらず、なお従前の例によることができる。


附 則〔令和4年5月31日付け4消安第1075号(農林水産省消費・安全局長通知)〕
この通知は、令和4年5月31日から施行する。


附 則〔令和5年12月1日付け5消安第4714号(農林水産省消費・安全局長通知)〕
この通知は、令和5年12月1日から施行する。


附 則〔令和6年10月3日付け6消安第2240号(農林水産省消費・安全局長通知)〕
この通知は、令和6年10月3日から施行する。

            

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