肥料等試験法(2017)
序
農林水産省が定めた「肥料分析法」は、肥料の主成分、有害成分等の評価方法として、日本における唯一の分析法として肥料の品質保全と安全性の確保に貢献してきました。しかしながら、「肥料分析法 1992年版」が発行されて以降は、新たな改訂版が発行されておりません。その間、公定規格への新たな肥料の種類や肥料成分の追加及び分析機器や分析技術が進歩してきていることから、肥料生産業者や検査指導機関など肥料関係各方面から「肥料分析法」の改定が望まれておりました。
独立行政法人農林水産消費安全技術センター(FAMIC)は、肥料分析法を時代に即応した分析条件や分析方法等を導入したものに書き改めました。また、肥料分析法に掲載されていない新たな有効成分や有害成分と新規肥料等に対応できる分析方法や新たな分析機器の導入などの検討を試み、新規試験法を確立しました。その際ISO/IEC 17025の要求事項等に従い妥当性確認試験を実施し、得られた成績と新たな試験法について外部有識者を含む「肥料等技術検討会」で審議・承認されたものを、2008年に「肥料等試験法(2008)」としてFAMICホームページに掲載いたしました。その後、毎年追加・更新を行っています。本年度は、2016年度に新たに検討した肥料中のチタンのICP発光分光分析法等を加え、「肥料等試験法(2017)」としてFAMICのホームページに掲載いたしました。
「肥料等試験法」は、使用する試薬、機器等をJIS規格等で規定し、IUPAC等のプロトコルを参照して試験法の妥当性を確認していることと、2010年8月に農林水産省から発行された「汚泥肥料中の重金属管理手引書」にも妥当性が確認された分析法として記載されていることから、肥料等の品質管理・分析業務に携わる方々の実用書として活用していただければ幸いであります。
2017年12月
独立行政法人農林水産消費安全技術センター
理事長 木村 眞人
目次
- 1. 総則
1
5
6
- 2. 試料の取扱い
7
8
9
2.3.1 予備乾燥10
2.3.2 縮分(分割)12
2.3.3 粉砕13
- 3. 一般項目
15
3.1.a 乾燥器による乾燥減量法15
3.1.b 水分計による乾燥減量法18
21
3.2.a 強熱残分法21
22
3.3.a ガラス電極法22
24
3.4.a 電気伝導率計による測定法24
26
3.5.a 乾式ふるい分け試験法26
28
3.6.a ジエチルエーテル抽出法28
- 4. 主成分、保証成分等
30
4.1.1 窒素全量30
4.1.1.a ケルダール法30
4.1.1.b 燃焼法36
4.1.1.c デバルダ合金-ケルダール法40
4.1.1.d 還元鉄-ケルダール法45
4.1.1.e アンモニア性窒素及び硝酸性窒素よりの算出51
4.1.2 アンモニア性窒素52
4.1.2.a 蒸留法52
4.1.2.b ホルムアルデヒド法58
4.1.3 硝酸性窒素63
4.1.3.a デバルダ合金-蒸留法63
4.1.3.b 還元鉄-蒸留法68
4.1.3.c フェノール硫酸法73
77
4.2.1 りん酸全量77
4.2.1.a バナドモリブデン酸アンモニウム吸光光度法77
4.2.1.b キノリン重量法84
4.2.2 可溶性りん酸87
4.2.2.a バナドモリブデン酸アンモニウム吸光光度法87
4.2.2.b キノリン重量法92
4.2.3 く溶性りん酸96
4.2.3.a バナドモリブデン酸アンモニウム吸光光度法96
4.2.3.b バナドモリブデン酸アンモニウム吸光光度法(亜りん酸又はその塩を含む肥料)100
4.2.3.c キノリン重量法104
4.2.4 水溶性りん酸107
4.2.4.a バナドモリブデン酸アンモニウム吸光光度法107
4.2.4.b バナドモリブデン酸アンモニウム吸光光度法(亜りん酸又はその塩を含む肥料)114
4.2.4.c キノリン重量法120
4.2.4.d ICP発光分光分析法123
127
4.3.1 加里全量127
4.3.1.a フレーム原子吸光法又はフレーム光度法127
4.3.1.b テトラフェニルほう酸ナトリウム重量法132
4.3.2 く溶性加里136
4.3.2.a フレーム原子吸光法又はフレーム光度法136
4.3.2.b テトラフェニルほう酸ナトリウム重量法139
4.3.2.c テトラフェニルほう酸ナトリウム容量法142
4.3.3 水溶性加里145
4.3.3.a フレーム原子吸光法又はフレーム光度法145
4.3.3.b テトラフェニルほう酸ナトリウム重量法151
4.3.3.c テトラフェニルほう酸ナトリウム容量法155
4.3.3.d ICP発光分光分析法159
162
4.4.1 可溶性けい酸162
4.4.1.a ふっ化カリウム法162
4.4.1.b ふっ化カリウム法(シリカゲル肥料等)166
4.4.1.c ふっ化カリウム法(シリカゲル肥料を含む肥料)170
4.4.1.d 過塩素酸法175
4.4.2 水溶性けい酸178
4.4.2.a ふっ化カリウム法178
182
4.5.1 石灰全量182
4.5.1.a フレーム原子吸光法182
4.5.2 可溶性石灰187
4.5.2.a フレーム原子吸光法187
4.5.3 水溶性カルシウム190
4.5.3.a フレーム原子吸光法190
4.5.3.b ICP発光分光分析法193
4.5.4 アルカリ分196
4.5.4.a エチレンジアミン四酢酸塩法196
4.5.4.b 可溶性石灰及び可溶性苦土よりの算出202
203
4.6.1 可溶性苦土203
4.6.1.a フレーム原子吸光法203
4.6.2 く溶性苦土206
4.6.2.a フレーム原子吸光法206
4.6.3 水溶性苦土209
4.6.3.a フレーム原子吸光法209
4.6.3.b ICP発光分光分析法212
215
4.7.1 可溶性マンガン215
4.7.1.a フレーム原子吸光法215
4.7.2 く溶性マンガン218
4.7.2.a フレーム原子吸光法218
4.7.3 水溶性マンガン221
4.7.3.a フレーム原子吸光法221
4.7.3.b ICP発光分光分析法226
229
4.8.1 く溶性ほう素229
4.8.1.a アゾメチンH法229
4.8.2 水溶性ほう素232
4.8.2.a アゾメチンH法232
4.8.2.b ICP発光分光分析法235
238
4.9.1 亜鉛全量238
4.9.1.a フレーム原子吸光法238
4.9.1.b ICP発光分光分析法242
4.9.2 水溶性亜鉛246
4.9.2.a フレーム原子吸光法246
4.9.2.b ICP発光分光分析法250
253
4.10.1 銅全量253
4.10.1.a フレーム原子吸光法253
4.10.1.b ICP発光分光分析法257
4.10.2 水溶性銅260
4.10.2.a フレーム原子吸光法260
4.10.2.b ICP発光分光分析法264
267
4.11.1 有機炭素267
4.11.1.a 二クロム酸酸化法267
4.11.1.b 燃焼法271
4.11.2 炭素窒素比275
276
4.12.1 硫黄分全量276
4.12.1.a 過マンガン酸カリウム法276
4.12.1.b 塩化バリウム重量法278
4.12.1.c 透過光測定法283
287
4.13.1 水溶性鉄287
4.13.1.a フレーム原子吸光法287
4.13.1.b ICP発光分光分析法291
294
4.14.1 水溶性モリブデン294
4.14.1.a チオシアン酸ナトリウム吸光光度法294
4.14.1.b ICP発光分光分析法298
301
4.15.1 水溶性コバルト301
4.15.1.a フレーム原子吸光法301
4.13.1.b ICP発光分光分析法303
- 5. 有害成分
306
5.1.a 還元気化原子吸光法306
5.1.b 還元気化原子吸光法(液状の汚泥肥料)310
314
5.2.a 水素化物発生原子吸光法314
5.2.b ジエチルジチオカルバミン酸銀吸光光度法319
5.2.c ICP質量分析法(液状の汚泥肥料)324
328
5.3.a フレーム原子吸光法328
5.3.b ICP発光分光分析法332
5.3.c ICP質量分析法(液状の汚泥肥料)335
5.3.d ICP質量分析法339
343
5.4.a フレーム原子吸光法343
5.4.b ICP発光分光分析法347
5.4.c ICP質量分析法(液状の汚泥肥料)350
354
5.5.a フレーム原子吸光法(有機物を含む肥料)354
5.5.b フレーム原子吸光法(熔融物、鉱さい等を主体とする肥料)358
5.5.c フレーム原子吸光法(有機物を含まない肥料)362
5.5.d ICP発光分光分析法367
5.5.e ICP質量分析法(液状の汚泥肥料)370
374
5.6.a フレーム原子吸光法374
5.6.b ICP発光分光分析法378
5.6.c ICP質量分析法(液状の汚泥肥料)381
385
5.7.a イオンクロマトグラフ法385
5.7.b 高速液体クロマトグラフ質量分析法389
395
5.8.a イオンクロマトグラフ法395
5.8.b 高速液体クロマトグラフ法399
405
5.9.a 高速液体クロマトグラフ法405
411
5.10.a 高速液体クロマトグラフ法414
416
5.11.a ICP発光分光分析法(1)416
5.11.b ICP発光分光分析法(2)420
423
- 6. その他の制限事項に係る試験
424
6.1.a 高速液体クロマトグラフ法(1)424
6.1.b 高速液体クロマトグラフ法(2)428
433
6.2.a イオンクロマトグラフ法433
6.2.b 硝酸銀法438
441
6.3.a ウレアーゼ法441
6.3.b 高速液体クロマトグラフ法449
454
6.4.a 高速液体クロマトグラフ法454
459
6.5.a 冷緩衝液法459
465
6.6.a 熱緩衝液法465
471
6.7.a 緩衝液法471
478
6.8.a 水中静置法478
480
6.9.a 重量法480
484
485
- 7. 硝酸化成抑制材
486
7.1.a 高速液体クロマトグラフ法486
490
7.2.a 高速液体クロマトグラフ法490
494
7.3.a 高速液体クロマトグラフ法494
497
7.4.a 高速液体クロマトグラフ法497
500
7.5.a 高速液体クロマトグラフ法500
505
7.6.a 高速液体クロマトグラフ法505
- 8. その他
509
8.1.a ガスクロマトグラフ質量分析法509
8.1.b 欠番515
8.1.c 高速液体クロマトグラフ法(有機物を含まない肥料)516
8.1.d 高速液体クロマトグラフ法(有機物を含む肥料)521
525
8.2.a 高速液体クロマトグラフタンデム質量分析法525
532
8.3.1 残留農薬多成分分析(その1)532
8.3.1.a 高速液体クロマトグラフタンデム質量分析法532
8.3.2 残留農薬多成分分析(その2)540
8.3.2.a ガスクロマトグラフ法540
546
8.4.a フレーム原子吸光法546
549
8.5.a 高速液体クロマトグラフ法549
- 別添
554
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